20160719地下鉄にて
あの人と私の距離
思い出す過去、記憶。
私とあなたのあいうえお順
夢見がちな空
耳にあけてあげたピアス
耳にあいているピアス。傷跡
透明な息
夢を見た。
遠吠えは遠く
友だちは遠く
生まれ故郷で
これは連想ゲーム
連続性の
どこへ向かってるのか分からなくなって、どこかへ行きたくて、私を生かしてあげたくて、
夢の中にいた。ずっとずっと
それは水槽の中。金魚鉢の中。
青い水、青い魚
美しい女
美しいものにしか興味がない。目がない。目が無いんだ。義眼をつけたらほらどこへでも行けるよ。
P.217、P.249
「アイザックは英語名。イサクがなまってそうなったの。」「イサクは、旧約聖書の創世記に出てくる人なの。英語ならアイザックで、ヘブライ語ならイツハク。アラビア語だってあるのよ、イスハーク。」
「ある寺院で、バター彫刻を見たの。バター彫刻って、素晴らしいの。本当に精巧で、美しいの。そして誰が作ったのか分からない。何故ならそれは、仏様にさしあげるものだからよ。
私はそこでも泣いた。涙があとからあとから溢れて来て、止まらなかった。そのときにアイザックに会ったの。アイザックは私の涙を見た。見ざるをえなかったのでしょう。だって私は立っていることすら出来なかった。座り込んで、ずっと泣いていたの。そしたらアイザックが、こう言ったの
『あなたはこの彫刻を見るためにやって来たんですね』
その言葉は半分間違っていたし、半分正しかった。私はこの彫刻を見るためにチベットに来たんじゃない。でも、来たのよ。私はここに来た。
分かる? 歩。
私がここに来なかったら、この彫刻を見ることはなかったし、私の涙はなかったのよ。」
姉はまるで、今目の前にその彫刻があるみたいに、指を伸ばした。何かに触れようとしていた。そうしながら、でも、姉はまっすぐ立っていた。まっすぐ揺れることなく、まっすぐに。
「私が、私を連れてきたのよ。今まで私が信じてきたものは、私がいたから信じたの。
分かる? 歩
私の中に、それはあるの。『神様』という言葉は乱暴だし、言い当ててない。でも私の中に、それはいるのよ。私が、私である限り。」
おひっこし201603~20160522
「あら凄い自信ですね」
「自信とかじゃないですよ。もし皆川さんが僕に落とされたら、それは僕のせいじゃない。あなたが自ら落ちたんですよ」
「どういうこと?」
「ご自身にその気があるから落ちるんです」
「あなたに気があるってこと?」
「いや、僕のことなんか見てもいないですよ。あ、チョコ、もうひとつどうぞ、」
あなたが詰めたこの距離
なにか心が満たされないから、誰かにもたれかかりたいんじゃないですか?
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高校を中退して、でも卒業認定は取って専門も卒業して
左耳に集中してあいていた大量のピアス 今はもう跡だけが残って、拡張した穴はふさがらない
煙草はメビウス
グレーのカラーコンタクト
火傷の跡?って聞いたら、リストカットの跡だった。
あの子あの子あの子 いつかこれからまた明日
元気でやってほしい。
私はあと1カ月の命かな
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気持ち悪くて融けそうだ。誰か助けてくれ
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女
あたし、血にはなれてるもの。女って皆、血が怖くないものよ。怖いものは、あんた血が怖くないでしょって言われる時だけ。
「大きな変化がお互いにこわいのかもしれない。」と五郎は言った。
もしも変化することがあるとしたら、いつのまに、気がつかないうちにそっと遠くなっている、という程度でないとお互いにこわいんだ、と言った。
「いや、お互いじゃない、きっと俺がこわいんだ。」とすぐに五郎は言い直した。
それは人のせいにしない、厳密でいい発言だな、と私は思った。
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いとおしくて、文字をなぞったわ
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