交換日記

ももちゃん

20170108雨について

今日は久しぶりに雨。冷たい冬の雨。外にほぼ出てないけど。雨の日はいつにも増して出かけるのが億劫になる。自転車にも乗れないし。濡れると冷たいし。眼鏡にしずくをつけたくないし。

家に1日いると、たいして何もしてないのにずっと食べていてどうかと思う。実家こえー たまった朝ドラを2つ見て、新しい大河ドラマを見て、コーヒーを2杯飲んだ。大相撲初場所初日。

雨の日は、なるべく明るい服を着ようとは心がけている。あとは少し靴に悩むね。レインブーツって必要なのかなあ。買えて、履ける日のわたしは、きっともっと大人なわたしだ。

ケンジタキギャラリー・シュウゴアーツ

彫刻とは何か。古代、火山噴火で火砕流に埋もれたローマの都市ポンペイ。人間は気化し、実体と空間が逆転した空洞となって発掘された。かつて写真で目にした戸谷さんは、あらかじめ設定したイメージに向かって素材を加工する「彫刻」の伝統に対し、内外の境目を引っかき回す表現で彫刻を問うてきた。「彫刻を定義できるとは思わない。ますます分からなくなる」と前置きした上でこう話す。「本質的には、世界とはどういうものか、世界観をつくることではないか」

P.39

西麻布の店で、その男の人を初めて見たとき、この人は他人だと思った。この男の人は自分とは別の人間だということが、まるで体臭のように伝わってきた。よく磨かれた半透明のガラスの板がわたしたちの間に立て掛けられているようだった。たとえばトシと一緒にいるときにはそういうことは思わない。もちろんわたしとトシは違う人間だ。だが、別に抱き合ったりエッチをしていたりするわけでもないのに、トシと一緒にいるだけで、自分のからだとトシのからだの境界が曖昧になることがある。たとえばわたしはテレビを見ていて、トシも同じテレビ画面を見ている。同じ箇所で二人は笑う。テレビを見て笑っているのか、一緒に笑うためにテレビを見ているのかわからなくなってくることもある。またたとえばわたしが雑誌を読んでトシはコミックスを見ている。そういうとき、違うものを見ているのに何だか溶け合っているような感じがする。トシの部屋が広くないせいかも知れないが、トシの部屋にいるとき、自分とトシのからだや心の境界がわからなくなる。そういうときには、時間的な境界も溶けていくような気がする。過去と現在と未来が混じり合って、自分が一億年も前からこうやってトシと一緒にテレビを見たり雑誌を見たりしていて、これからも永遠にテレビを見たり雑誌を見たりするのだろうと思ってしまう。それはぞっとする感覚だ。

2016120910

左手を繋いでいるから、右手だけで自転車を押しながら歩くのは少し難しくて、酔っているし眼鏡がすぐに下がる。

 

こうやって 誰かと手を繋ぎながら夜の道を歩いていたことを、忘れたくないと思った。

 

それにしてもなんてわたしはバカなのか。

葛藤葛葛飾区

あーー

なんてややこしいのか。

わたしが好きなのはあの人だ。あの人のそういうことをしないところも含めて好きなのだろう。失望、裏切り、知られたくないけどいつか知られるよ。絶対怒られる。

どうしてこうなった。はやく助けて。ストレージ不足で、頭が爆発してしまうよ。

20160912

いつの間にか私の席から一番遠くに置かれていたはずのそれが、手の届くところにあった。

それはソガさんのメビウスや、ゆくみさんの黄緑のアメスピが空になってしまったせいかもしれない。

初めて見たそれを手に取る。これなんですかと聞いてみると、中国の煙草だよ、と誰かが答えた。ふーんと思って開けてみる。ソガさんが吸ってみなとそそのかす。私は煙草を一本とりだし、近くにあったゆくみさんのライターを手に取る。トントントンと、煙草を机にやったものなら 吸い慣れている と言われてしまうかもしれないと思い、少しもったいぶりながら煙草をくわえてみる。

「煙草吸ったことあるの?一本吸っただけでガンにならないでよ。」

そんなようなことをあの人は私に言った。ふふふ、と笑えてしまった。私が、主にあなたが吸うから煙草に興味を持ってしまったということを、知らないのね。

吸い込んで、吐き出す。

コクがない、旨味ない、とソガさんは言う。よくわからないけど、美味しいほうではないなとなんとなく思った。

何かに気付き、何かをしなくてはならなくて灰皿に煙草を置いて席を立った。戻ると煙草は小さくなっていて、残念だなと思いながら揉み消した。

その後もう一度吸っても不自然じゃない距離にあったから、一本取り出して吸ってみる。

気に入った?いやあそれにしても煙草が似合うねえ。昭和ってかんじだよ。20歳上のソガさんが言う。わたし平成生まれなんだけどな。

でもよく言われる。そうなの 煙草が似合うみたいなのよね。そう思いながら一本最後まで吸った。あの人は、どんな顔してただろ。

 

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P.55

刑事はとたん、妻を失うのが怖くなった。そんなことを恐れるのは、若い日に、まだ妻の耳元で睦言をささやいていた頃以来である。しかし今日のそれは当時のような愛情の証としての空想とは真逆の、より切迫した、身勝手な恐怖として迫ってきた。深く愛するものを失うことと、もう確かな愛を感じなくなったものを失うのとでは、悲しみの度合いは比較にならないが、後者の嵌る失意の沼の深さもまた計り知れない。

20160829

毎日のように連絡をとったり、毎週のように会ったりしていると、それがもし滞ったときに、自分が少しぐらつく。これがきっと依存ってやつだろうか。

依存、したくないし

人の重みになったり、余計なこと言ってしまったり、関係が壊れてしまうかもしれない。それから過去の反省もあり、私は自制する。わたしはひとりで、わたしはわたしと生きていくしかないのだと

本当のところ自分を助けてあげられるのは自分なのだと?

いうようなことを考えたり。人との距離は難しい。本当はとても身を預けたいんだろうな。でもそうもいかないのよ

あー うん。

おわり 8月もさよならからー